シェパード ルーシー お泊り事件簿

2001年のこと、お散歩ママさんは愛犬ルーシーの留守番のことで頭を悩ませておりました。6月にカリフォルニアにいる息子の大学の卒業式に出席するつもりだからです。そのため犬は8日間どこかに預けなければなりません。

当初は、アスランとルーシー(一緒に産まれた10才のシェパード)の2頭を預けるつもりでした。一応彼らはシェパードなので、問題が起こると困ると思い訓練士(一人で開業している人)に預けることにしていました。 ところが預ける前に、突然アスランが死んでしまいました。するとルーシーは留守番のたびに1時間も遠吠えをするようになりました。遠吠えするのは、寂しくて仲間を呼んでいると考えられます。彼女は心が不安定なのでしょう。だから預けることが心配になりました。そのことを訓練士に話すと「大丈夫ですよ。」と言われたので安心しました。

シェパード ルーシー お泊り事件簿

しかし念のため、5月の第一週に第1回の泊る練習をしました。ルーシーは今まで大家族でにぎやかに暮らしていましたし、預けられたことは若い時に1度位しかありませんでした。お散歩ママさんが何日も留守をするときは、中学生の子供たちが面倒を見ていました。  その子供たちは二人とも今は、海外に留学しています。ルーシーと暮らしていた母犬は  2年前に死にました。そして喧嘩をよくしていた兄弟のアスランまでもが、逝ってしまったのです。彼女はママさんとご主人の子供としてはたった一人になってしまいました。 そんなルーシーを心配してお泊まり練習は3回はしなければなぁ~と思いました。次の日、訓練士の家にママさんが迎えに行くと、ルーシーは目があったとたんピーピー鳴きました。訓練士は「問題なかったです。大人しいですよ。いいんじゃないんですか。」と言われました。

シェパード ルーシー お泊り事件簿

ところが次の日の朝、ママさんが起きたらルーシーは吐いていました。お昼にも吐いて、夜はご飯を食べるとすぐに吐きました。胃が食べ物をうけつけないようでした。次の日は水のような便をしたので、獣医に駆け込みました。先生は笑いながらルーシーに「捨てられちゃったのかと思ったのかい!」と言いました。腸炎も起こしているとのことで、薬は胃粘膜保護、下痢止めが6日間、抗菌剤が4日間でました。ストレスによるものだそうです。ルーシーはもっとずぶとい神経かと思っていたので意外でした。

犬は預けられると次のような反応が考えられます。

  • 現在飼われている環境に不満がある犬は、もっとよい環境を求めています。預けられ先が家の環境よりよければ、大人しくしています。
  • 犬の神経が太い場合や飼い主との気綱が弱い場合は、預けられている環境に慣れないので不安ではあるが大人しくしている。
  • 犬の神経が細く飼い主との気綱が強い場合でしかも家から離れた経験があまりない犬は、我慢するとストレスで神経性胃炎になることがある。また我慢しない犬は預けられている間ワンワン吠えつづける。

以上おおざっぱな分け方ですが、ほとんどの犬は2です。家で騒がしい犬でも預けられると、静かにしているようです。 ルーシーは3に該当するようでした。

シェパード ルーシー お泊り事件簿

結局ルーシーはどこにも預けられず家で留守番することになりました。昼間はママさんの母親と妹がお守を頼まれて、8日間毎日来て面倒を見ることになったのです。夜はママさんのご主人がおりましたので、彼女はとても元気でご機嫌で留守をすごしました。

犬は予想がつかない部分があり、特にルーシーは意外な行動をとります。大人しくしている分我慢しているところもあり、予測するのは難しいです。 犬も預けられることに慣れれば、ストレスになりません。ママさんの4頭目のシェパードハリーのトレーニングには、外泊の項目も入っています。それはとても大事なトレーニングです。まずは小さいころからクレートトレーニングでケージの中に喜んで入っているように慣れさせましょう。


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